婚活がうまくいってるか分からない人へ|月イチ10分の「点数」で、3回目に見えるもの
「うまくいってないわけじゃないんです。ただ、うまくいってるのかも、分からなくて」—— 半年ほど婚活を続けている方から、そう言われたことがあります。 落ち込んでいるわけでも、投げ出したいわけでもない。ただ、自分がどこにいるのか分からない。 この記事は、その「分からない」に目盛りを入れる話です。月に一度、10分だけ。
「進んでる気がしない」の正体
婚活には、進んだかどうかを教えてくれるものが、ほとんどありません。
資格の勉強なら、過去問の点数が上がっていく。ダイエットなら、体重計に乗れば数字が出る。仕事なら、去年できなかったことが今年できている。どれも、自分の変化が自分に返ってくる形になっています。
婚活はそうなっていません。返事が来る/来ない、次に会えるか会えないか。手元にある材料が、ぜんぶ相手の都合で決まります。
相手がその日たまたま忙しかった。別の人と先に約束していた。単純に好みが違った。どれもこちらの努力とは関係のないところで起きていて、しかもこちらからは理由が見えません。
それでも人は、返ってきた結果を自分の答案だと思ってしまいます。3人続けて返事が来なければ、自分に×が3つ付いた気がしてくる。
「うまくいかない時期に来る人は、たいてい『自分が悪い』の一点張りになっています。でも話を聞いていくと、悪くなっているのは本人じゃなくて、判断の材料のほうなんですよ」 — あつしコーチ(テニス指導歴30年)
手応えが分からないのは、あなたが鈍いからではありません。測るものが、はじめから用意されていないだけです。
「振り返り」をしても効かない理由
婚活の振り返りは、いろいろな形で勧められています。ただ、よく見ると、測っているものが少しずつ違います。
| よくある振り返り | 何を測っているか | いつやるか |
|---|---|---|
| スペックの診断・自分の順位づけ | 年齢・年収・見た目といった条件 | 1回きり |
| 始める前の自己分析シート | どんな人と一緒にいたいかという希望 | 始める前に1回 |
| 婚活ノート | 誰と会って何を話したかという相手の記録 | 会うたび |
| 疲労度のチェック | いま消耗しているかという今日の状態 | 気になった時に1回 |
どれも役に立ちます。ただ、いまの自分の状態を、時間の流れの中で見ているものが、ひとつもありません。
条件は変わりません。希望は始める前に決めたきりです。相手の記録は増えていきますが、それは相手の情報であって、自分の情報ではない。疲労度は、疲れている日に測れば疲れているとしか出ません。
比べる相手が、いつも他人か、過去の理想か、どちらかになっている。先月の自分と比べる仕組みが、どこにもないのです。
10点満点でつける、8つの項目
やることは単純です。下の8つに、いまの自分で点数をつけます。10点満点。深く考えず、最初に浮かんだ数字で構いません。
1回目は、正直つけてもよく分かりません。それでいいので、まず埋めてください。
| 項目 | 1回目 | 2回目 | 3回目 |
|---|---|---|---|
| ① 自分に自信があるか | |||
| ② 自分のことが好きか | |||
| ③ 自分は幸せだと感じているか | |||
| ④ いまの関係に満足しているか 相手がいない場合 → 「いまの婚活の進め方に納得しているか」 | |||
| ⑤ 相手は自分に満足していると思うか 相手がいない場合 → 「気になっている人に、自分をどのくらい出せているか」 | |||
| ⑥ 人を褒めているか | |||
| ⑦ ありがとうを言っているか | |||
| ⑧ 人の話を最後まで聞けているか |
④と⑤は、特定の相手がいる方向けの項目です。いない場合は、右に添えた読み替えを使ってください。「将来こうありたい」という関係の像でも、いま少し気になっている人でも構いません。対象が変わっても、測っているのは自分の状態のほうなので、点数はちゃんと意味を持ちます。
⑥⑦⑧を不思議に思われるかもしれません。婚活と関係なく見えます。
ここは相手が誰かに関係なく動く部分です。職場でも、家族でも、友人でも。この3つが下がっている月は、たいてい①〜③も一緒に下がります。余裕がなくなると、まず人に向ける分から削られていくからです。
点数のつけ方には、ひとつだけ作法があります
いい点を取ろうとしないこと。これだけです。
点数をつけると聞いた時点で、多くの人が身構えます。低い点は自分の欠点で、高い点を目指すべきものだ、と。
そう思った瞬間に、これは自分を裁く道具に変わります。3点だった項目を見て「やっぱり自分はダメだ」と落ち込む。そうなると続きません。続かなければ、変化も見えません。
「点数そのものには、良いも悪いもありません。今日の天気を書き留めるのと同じです。雨だった日を責める人はいないでしょう。あとで並べたときに、はじめて意味が出てくるものなんです」 — R(恋愛コーチング講師)
もうひとつ。点数の横に、理由を一行だけ書いてください。
「④が4点。先週の連絡が返ってこなかったから」「⑦が8点。同僚に助けてもらった週だった」。この一行が、あとで効いてきます。数字だけ並べても、なぜ動いたのかが思い出せないからです。
Rによれば、これは、いまの状態を数字にしてから、その数字の理由を聞き、そのうえで1点上げるとしたら何があればよさそうかを考える、という順番で進める考え方だそうです。もともとは恋愛のためのものではありませんが、自分の状態を扱うという点では同じところに使えます。
3回続けると、何が見えるのか
ここが、この記事でいちばん伝えたいところです。
1回目は、ただの数字です
比べる先がないので、6点が高いのか低いのかも分かりません。それで構いません。1回目は、記録を始めるためだけにあります。
2回目に、ブレが出ます
前月と見比べて、上がった項目と下がった項目が出ます。ただ、この時点ではまだ、それが変化なのか、その日の気分なのか判断できません。ここでやめてしまう人が多いところです。
3回目で、はじめて線になります
3つ並ぶと、点が線に見えてきます。ずっと下がり続けている項目。じわじわ上がっている項目。毎回ばらばらに動く項目。この3種類が分かれてくる。
そして、ここで見るのは点数の高さではなく、動いた向きです。
よくある3ヶ月の動き方
「①自分に自信があるか」が、3点 → 4点 → 4点。数字だけ見れば低いままです。
ところが、横に書いた一行のほうが変わっていきます。1ヶ月目は、うまくいかない理由が並ぶ。2ヶ月目は、何か試したことが書かれる。3ヶ月目は、できるようになったことが書かれる。この順番で動く人が多いようです。
点数はほとんど動いていません。それでも、進んでいます。4点が悪いのではありません。先月3点だったなら、それは上がっているということです。
これが、1回きりの診断では絶対に見えない部分です。「いまのあなたは4点です」と言われても、そこに意味はありません。意味が生まれるのは、2つ目の数字が並んだときからです。
3回とも下がっていたら
そういう月もあります。3回並べて、全部が下向きだったとき。
まず、それは失敗の記録ではありません。気づけたという記録です。測っていなければ、下がっていることにも気づかないまま、なんとなく続けていたはずです。
下がり続けているときにやることは、頑張り方を変えることではなく、いったん減らすことのほうが多いようです。婚活の予定を来月だけ半分にする。返事の来ない相手を待つのをやめる。⑥⑦⑧が下がっているなら、まず自分の生活のほうに余裕を戻す。
やめるかどうかを決めるのは、そのあとで構いません。諦めかけた夜に何をするかについては別の記事で書きましたが、やめるとリセットは違うものです。数字が下がっているときの判断は、たいてい実際より悪いほうに寄ります。
点数を戻す方法そのものは、焦りを感じる日の整え方のほうが具体的です。あわせて読んでみてください。
テニスで言うと
コートに立っていると、似たことが起きます。
ラリーが続かない日、多くの人は相手のせいにするか、自分の技術のせいにします。でも実際は、その日の自分の状態で決まっていることのほうが多い。力んでいる日は、どんなに良い球が来ても返せません。
「ラリーが続く人は、上手い人じゃないんです。相手が返しやすい球を返している人です。それができるかどうかは、その日の自分に余裕があるかで決まります」 — あつしコーチ(テニス指導歴30年)
コートで2時間ペアを組むと、その人の素が出ます。ミスしたときに何と言うか。疲れてきたときにどう振る舞うか。これは条件表には書けない部分です。
そして、そこに出るものは、⑥⑦⑧で測っている部分とほとんど同じものです。自分を見るほうへ視点を移す話とも、根はつながっています。
よくある質問
点数が下がったら、失敗ですか
いいえ。下がったことに気づけるのが、この方法の役目です。下がったと分かれば、減らす・休む・変えるといった手が打てます。気づかないまま続けるほうが、消耗します。
付き合っている人がいません。④⑤はどうすれば
表の中に読み替えを書いてあります。「いまの婚活の進め方に納得しているか」「気になっている人に、自分をどのくらい出せているか」。対象がいなくても、測っているのは自分の状態なので成立します。
毎月じゃないとだめですか
間隔は揃っていれば構いません。大事なのは毎月であることより、同じ項目を、同じ物差しで、繰り返すことです。ただ、週ごとだと短すぎて気分の波しか出ませんし、半年空くと前回の感覚を思い出せません。月に一度が扱いやすいと思います。
何ヶ月続ければいいですか
まず3回。そこで線が見えます。そのあとは続けても、いったんやめても構いません。やめたあとで気になったら、また同じ表に戻ってくれば、その間の差が分かります。
まとめ
婚活には目盛りがありません。だから、進んでいるかどうかが自分で分からなくなります。
世の中の振り返りは、条件を測るか、希望を測るか、相手を記録するか、今日の疲れを測るか。いまの自分を、時間の中で見るものがありませんでした。
8つの項目に10点満点をつけて、理由を一行。それを3回。見るのは点数の高さではなく、動いた向きです。1回目はただの数字、2回目でブレ、3回目にはじめて線になります。
今月の分は、10分あれば終わります。
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テニス指導歴30年・独立プロコーチ。教え子から30組以上の成婚を見届けてきた現場の観察を基に、Love All Tennis のコラムを綴っています。