テニスで見える、結婚に向く性格——短気・集中・優しさの3つの軸
「結婚に向く性格って、結局どんな人?」と検索すると、優しさ・包容力・経済力・誠実さ・責任感・思いやり・コミュ力——10個も20個も並んだリストが出てきます。

「『結婚に向く性格』なんて言うと長いリストになりがちですが、30年見てきて、本当に大事なのは3つだけです」— あつしコーチ
「結婚に向く性格って、結局どんな人?」と検索すると、優しさ・包容力・経済力・誠実さ・責任感・思いやり・コミュ力——10個も20個も並んだリストが出てきます。
読み終えても「で、結局どこを見ればいいの?」となるのは、項目が多すぎて、かえって焦点が見えなくなっているから。
このコラムは、テニスを30年教え、教え子から30組以上の成婚を見届けてきたコーチが、コートの上で「続いた人」と「続かなかった人」を観察し続けて辿り着いた、本当に大事な3つの軸を、シンプルにお伝えします。
なぜ「3つ」に絞れるのか

世の中の「結婚に向く性格リスト」は、ほとんどが結果として見えることを並べたものです。「優しい」「思いやりがある」「誠実」——これらはどう測ればいいのか?言葉だけでは、いくらでも「演じる」ことができてしまう。
「コートの2時間に出るのは、3つだけなんです。短気の出方・集中の質・優しさの方向。これが揃っている人は、結婚しても続いている。30年見てきて、本当にこの3つです」(あつしコーチ)
長いリストを暗記する必要はない。この3つを、自分と相手の両方で見るだけで、関係が続くかどうかは、ほぼ予測できる——というのがコーチの結論です。
軸①:短気の出方
人は誰でも、思い通りにいかない時にイライラします。問題は、そのイライラが「外」に出るか「内」に収まるか。
コートでミスした瞬間、ラケットを振り回す人。ボールを叩きつける人。舌打ちをする人。逆に、苦笑して「次いこう」とリセットできる人。
家庭で20年・30年暮らす中で、「思い通りにいかないこと」は数えきれないほど起きます。そのたびに不機嫌が外に出る人と、自分の中で短く処理できる人——どちらと暮らしたいかは、考えるまでもない。
「短気そのものは悪くないんです。みんな、ある。問題は、その短気を相手にぶつけるか、自分で処理できるかです」(あつしコーチ)
軸②:集中の質
「集中力がある」と聞くと、何時間も没頭できる人を想像しがちですが、コーチが見ている集中は少し違います。
それは、「目の前のこと」に意識を向け続けられる質。
コートで言うと——
- ラリー中、次の球を予測できる
- ペアの動きを意識して、補完するポジションに入れる
- ミスしても、次の球までに切り替えて準備できる
これは家庭では——
- 相手の話を最後まで聞ける
- 相手の体調や機嫌の変化に気づける
- 自分の気持ちのスイッチを自分で切り替えられる
——という形で表れます。「意識を、必要なところに置ける力」。これが集中の質です。
「集中の質が低い人は、相手と話している最中もスマホが気になる。家庭では、これが2人の距離をじわじわ広げます」(あつしコーチ)
軸③:優しさの方向
「優しい人」は、世の中にたくさんいます。でも、優しさが「どこに向いているか」で、その人の本質はまったく変わる。
コーチが見ている2つのタイプ:
A: 自分の不安を埋めるために優しい人
「嫌われたくない」「いい人だと思われたい」が動機。一見親切に見えるけれど、相手が自分の期待通り反応しないと、すぐに不機嫌になったり、距離を取ったりする。他者依存の優しさです。
B: 相手のために優しい人
相手が喜ぶか、楽になるかを見ている。自分の機嫌の責任を相手に負わせない。だから関係が長く続く。
コートで見えるのは、Aは「自分のサーブが上手くいった時だけ機嫌がいい」「初心者にイラっとする」、Bは「初心者にどう声をかければ楽しんでもらえるかを考えている」「ミスしても自分のせいにできる」。
結婚に向くのは、当然 B。そして、Bの優しさは、「自分のために生きている時間」がしっかりある人にしか出せない——というのが、30年の観察です。
性格は「磨ける」もの
ここまで読んで、「自分はAタイプかも」「短気が出やすいかも」と感じた方へ。
性格は、生まれつきだけで決まりません。今からでも、習慣で磨けます。
本記事の監修者である R(恋愛コーチングコーチング現場での実績)が、当時のクライアントに伝えていたのは——
- 短気を磨く:イラっとした瞬間、4秒吸って8秒吐く——まずはこれだけ。続かない日は、足の裏で「地面に立っている」感覚をたしかめるだけでもOK。手のひらや足の裏、どこか体の一部に意識をすっと落とすと、座禅のような静けさがふっと訪れます。それも難しい日は、頭から黒い煙が抜けて、代わりに光が入ってくるイメージを1回描いてみる。どれか1つ、その日の気分で選んで構いません。スピリチュアルに聞こえても、効くならアリです。3週間で、少しずつ癖になっていきます。
- 集中を磨く:週に1回、30分でいい。スマホを引き出しに入れて、好きなこと一つに浸る時間を作ってみてください。料理でも、読書でも、楽器でも、塗り絵でも、何でも。「これ好きだったな」と思えるものなら大丈夫。デート中に相手の話を聴ける人は、こういう時間を日常にちょっとだけ持っている人です。
- 優しさを磨く:優しさは、自分に余裕がないと出てきません。だからまず、自分を整えるところから。寝る時間を30分だけ早めてみる/夕食に野菜を一品足してみる/湯船にゆっくり浸かってみる——どれか1つで十分です。月1のテニスも、体を動かして気持ちを整える時間の一部になります。続けるうちに、自然と人にやさしくなれている自分に、ふと気づくはずです。
「結婚に向く性格」は、整えていくもの。コートで月1回、自分の3つの軸を見る場が、その整える時間にもなります。
そもそも、自分はなぜこのクセを持っているのか

ここまで読んで、「自分は短気が出やすいかも」「集中、結構浅いかもしれない」「Aタイプの優しさだったかも」と気づいた方もいるはずです。
そこから、もう一歩だけ深いところに踏み込んでみたい。
そのクセは、どこから来たのでしょうか。
本記事の監修者であるRが、コーチング現場でよくクライアントに伝えていたそうです。
「自分のカップル像、夫婦像って、ほとんどの場合、両親の関係を観察しながら作られているんです。何十年も潜在意識に入ってきた『これがふつうの夫婦』というイメージは、なかなか変えられない。でも、変えられないからこそ、知っておく価値があります」— R(監修者)
「いつも同じタイプを好きになる」「同じパターンで関係が壊れる」——これは偶然ではなく、自分が無意識に『見慣れた関係』を再現しているから、というのがRの見方です。
これは、両親が悪いとか、家庭環境のせい、という話ではありません。誰しも、子どもの頃にいちばん近くで見ていた関係を、自分の「ふつう」として刻んでいる——それだけのこと。
大事なのは、そのインプットの存在に気づいているかどうかです。気づかないままだと、無意識のパターンに引っ張られ続ける。気づければ、選び直せる余地が生まれる。
Rが当時クライアントに勧めていたのは、次の3つの観察だったそうです。
- 両親の関係を、もう一度観察してみる。仲が良かったのか、冷たかったのか、衝突が多かったのか、無関心だったのか。子どもの頃の感覚で、思い出してみる。
- 自分の今の(または過去の)パートナーへの態度と、両親の態度に、似ているところを探してみる。少し怖い作業ですが、見えてくると、不思議と気が楽になることが多いそうです。
- 「自分が真似したい関係」を、身近で1組見つけてみる。友人夫婦でも、知人でも、メディアの中の誰かでも構いません。「あの2人みたいな空気感」と、自分の中に新しいイメージを入れておく。
3つ目が特に大事だそうです。観察するだけでは、新しい型は入ってこない。「自分は、これを真似したい」と能動的に取り入れて初めて、何十年分のインプットを上書きしていける——というのがRの話でした。
自分では気づけない「盲点」を、誰かに聞いてみる

もう一つ、Rが現場でよく出していた宿題があるそうです。
自分の性格や癖は、自分でも全部は見えていません。コーチングの世界で「ジョハリの窓」と呼ばれるフレームワークがあって、自分が知っている×他人が知っている、の2軸で、人の自己認識は4つのエリアに分かれます。
- 開放:自分も他人も知っている自分
- 盲点:自分は知らないけど、他人は知っている自分 ← ここに成長余地がある
- 秘密:自分は知っているけど、他人には見せていない自分
- 未知:自分も他人もまだ知らない自分
結婚に向く性格の3軸(短気・集中・優しさ)も、自分の盲点エリアに、見えていない部分がある可能性が高いそうです。「自分は思いやりがある」と思っていても、周りからは違って見えているかもしれない。
そこで、Rがクライアントに渡していた宿題はシンプルでした。
「信頼できる友人を3人選んで、聞いてみてください。『私のいいところを3つ教えて』『ついでに、気になるところを1つだけ教えて』。これだけです」— R(監修者)
勇気が要る宿題です。でも、これをやった人は、ほぼ全員、自分が見えていなかった「いいところ」と「気になるところ」の両方を持って帰ってくるのだそうです。
そして、テニスのコートのような「素が出る場」に立ってみることも、同じ効果を生みます。普段のオフィスやカフェでは演じきれる自分が、コートでは2時間で素になる。そこで一緒にプレーした人に、自分について何を感じたかを聞ければ、それは貴重な盲点情報になります。
「自分は意外と熱くなりやすいんだな」「思ったよりペアへの気遣いが薄かったかも」——コートでの自分のふるまいを、信頼できる相手に率直に振り返ってもらえると、3つの軸のどこを磨けばいいかが、ぐっと見えてきます。
ちなみに、もし機会があれば、あつしコーチ本人に聞いてみるのも、一つの強い方法です。30年の現場で何百人を見てきた目は、自分では絶対に気づけない癖を、さらっと言葉にしてくれます。「今日の私、どう見えました?」——勇気の要る一言ですが、聞けば、自分の盲点はぐっと見えてきます。
まとめ
結婚に向く性格は、3つだけ。
1. 短気の出方——外にぶつけずに、自分で処理できるか
2. 集中の質——目の前のことに意識を向けられるか
3. 優しさの方向——相手のために向いているか
長いリストを覚える必要はありません。コートで2時間、その人の素が見える——3つの軸が揃った人と、自然に出会う場所が、月1のテニスサークルです。
そして、相手を見るのと同じくらい、自分を見る視点も持っておく。「自分のクセは、どこから来ているのか」「自分には、どんな盲点があるのか」——この2つの問いを、3つの軸と並べて置いておくと、結婚に向かう道筋がぐっと立体的になります。
「焦らない人ほど、近づく。30年見てきて、これは本当です」(あつしコーチ)
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テニス指導歴30年・独立プロコーチ。教え子から30組以上の成婚を見届けてきた現場の観察を基に、Love All Tennis のコラムを綴っています。